Lv.1 桃農家

  • 2021年9月15日
  • 2022年9月11日
  • 農家Lv

こんにちは、ももおやじ@Oyaji_Momo)です。

この記事では桃農家の年間スケジュールについて整理していきます。

  • 桃ってどんな風にできるの?
  • 木になるの?土の上にできるの?
  • 桃の産地に住んでいるけどどんな作業しているか知らない

そんな方に少しでも桃について興味を持ってもらえれば嬉しいです。

桃(もも)

桃はバラ科の植物で、落葉樹なので冬になると葉が落ちます。

バラ科の仲間には他にリンゴやナシなどもあります。

3月〜4月にかけてピンク色のとても綺麗な花を咲かせます。

収穫時期は品種、栽培方法によって異なりますが、路地栽培(ハウスなどの施設を使わず、屋外で栽培する方法)の多くは6月〜8月頃収穫できます。

桃は果樹なので木に実がつきます。

桃の花

桃の主な産地は、山梨県、福島県、長野県、和歌山県、岡山県などです。

日本では古くから親しまれている果物で「古事記」にも登場します。

黄泉の国でイザナミの追手から逃げるイザナギが、黄泉比良坂に辿り着いた際、そこにあった桃の実を投げつけて、追手を退散させて逃げ延びることに成功した。

出典)ウィキペディア(モモ)

年間スケジュール

桃農家の年間作業を月毎にまとめ簡単な表にしました。

項目 詳細
1 摘蕾 桃の蕾を間引きます
2 摘蕾 桃の蕾を間引きます
3 摘蕾 桃の蕾を間引きます
予防 病害虫対策のため桃の木に農薬を散布します
花粉採り 桃の花を回収してそこから花粉だけを取り出します
花粉付け 桃の花に花粉付けを行います
4 畑の整地 明渠や暗渠を設置し、水の流れを調節したり、畑の凸凹を直したりします
草刈り 手刈りや乗用の草刈り機で畑の草を刈ります
予防 病害虫対策のため桃の木に農薬を散布します
摘果 桃の実を間引きます
5 草刈り 手刈りや乗用の草刈り機で畑の草を刈ります
予防 病害虫対策のため桃の木に農薬を散布します
摘果 桃の実を間引きます
袋掛け 桃の実に袋をかけます
6 草刈り 手刈りや乗用の草刈り機で畑の草を刈ります
予防 病害虫対策のため桃の木に農薬を散布します
袋掛け 桃の実に袋をかけます
収穫 桃を収穫します
7 草刈り 手刈りや乗用の草刈り機で畑の草を刈ります
予防 病害虫対策のため桃の木に農薬を散布します
収穫 桃を収穫します
8 草刈り 手刈りや乗用の草刈り機で畑の草を刈ります
予防 病害虫対策のため桃の木に農薬を散布します
収穫 桃を収穫します
灌水 桃の木に水やりをします
剪定 不要な桃の枝を剪定します
肥料散布 礼肥をやります
9 畑の整地 明渠や暗渠を設置し、水の流れを調節したり、畑の凸凹を直したりします
草刈り 手刈りや乗用の草刈り機で畑の草を刈ります
予防 病害虫対策のため桃の木に農薬を散布します
収穫 桃を収穫します
剪定 不要な桃の枝を剪定します
芽接ぎ 台木に芽をつなぎます
10 新しい畑の開墾 放置された農地や山を切り開いて畑として使用できるようにします
畑の整地 明渠や暗渠を設置し、水の流れを調節したり、畑の凸凹を直したりします
草刈り 手刈りや乗用の草刈り機で畑の草を刈ります
予防 病害虫対策のため桃の木に農薬を散布します
猪対策 畑に猪用の鉄柵や電気柵を設置したり、柵の強化や補修をします
苗木の植え付け準備 植え付け予定地に植え穴を作り、土作りをします
古くなった桃の木の整理 桃の木を切り倒し、埋まっている根を掘り起こして整地します
11 若木の移植 植えてある若木を移動させたい場所に移します
畑の整地 明渠や暗渠を設置し、水の流れを調節したり、畑の凸凹を直したりします
草刈り 手刈りや乗用の草刈り機で畑の草を刈ります
猪対策 畑に猪用の鉄柵や電気柵を設置したり、柵の強化や補修をします
桃の支柱設置 大きくなった桃の木が折れないように、支柱を設置して、枝をワイヤー等で補強します
12 剪定 不要な桃の枝を剪定します
苗木の植え付け 植え付け予定地に苗木を植えます
摘蕾 桃の蕾を間引きます

年間の作業内容は表の通りです。

作業内容は桃のどの品種をどれくらい植えているかで変わりますのであくまで参考です。

品種によっては冬に収穫する桃もあります。

猪対策も被害に合う度に補強作業が入るので、実際は年間通して作業がある場合もあります。

桃農家の作業はほとんど夏に集中します。

これだとまだイメージしにくいので季節ごとに作業内容を確認していこうと思います。

季節毎の作業内容

  1. 春(3、4、5月)
  2. 夏(6、7、8月)
  3. 秋(9、10、11月)
  4. 冬(12、1、2月)

それぞれ詳しく説明していきますね。

春(3、4、5月)

春の作業内容です。

  • 摘蕾
  • 花粉取り
  • 花粉付け
  • 摘蕾果
  • 袋掛け
  • 予防
  • 草刈り

冬に摘蕾作業が終わり、だんだん桃の収穫時期が近づいてきました。

桃の花が咲く直前に蕾を採取し、花粉の必要な品種に花粉付けを行います。

花が散ると小さな実ができるので摘果を行い、実の数を調整します。

桃が大きくなってくると袋掛けを行います。

いよいよ収穫は目の前です。

定期的に桃の木に農薬を散布して害虫予防などを行います。

予防は雨ガッパ、マスク、ゴーグルを着用して行います。

まだこの季節の暑さは問題ありませんが夏は大変です。

冬の間成長しなかった雑草が大きくなり、草刈りがスタートです。

 

夏(6、7、8月)

夏の作業内容です。

  • 袋掛け
  • 収穫
  • 灌水
  • 剪定
  • 予防
  • 草刈り
  • 肥料散布

やってきました農繁期です。

この季節に1年分の収入を得る必要があるため必死に働きます。

品種によって成長に差があり、同じ時期でも袋掛けを行う品種もあれば収穫の始まる品種もあります。

真夏の雨が少ない時期には灌水を行います。

翌年の準備も既に始まっており、収穫しながら不要な枝を剪定します。

定期的な予防は継続しており、朝早くから作業しますが、とても暑いため熱中症の対策が必要です。

自分で作業を行なって思いましたが、農家が早起きな理由がよくわかりました。

涼しいうちに作業しないと本当に危険です。

当然草刈りも定期的に行います。

作業は大変ですが、1年間大切に育ててきた桃が収穫できた時はとても嬉しいです。

美味しく食べてもらえるように丁寧に出荷します。

秋(9、10、11月)

秋の作業内容です。

  • 畑の開墾
  • 畑の整地
  • 猪対策
  • 芽接ぎ
  • 剪定
  • 古くなった桃の木の整理
  • 苗木の植え付け準備
  • 若木の移植
  • 桃の支柱設置
  • 予防
  • 草刈り

収穫が終わって一息つける季節です。

作業は多いですが、時間があるため問題なく行えます。

基本的に秋は翌年の準備です。

畑を整理したり、猪対策を強化したりします。

冬に苗木を植えるため植え穴を準備したり、若木の移植をしたりします。

老木の植え替え作業もこの時期に行います。

予防も行いますが、涼しくなっているので問題なく作業できます。

予防は秋で終了です。

また冬に入る直前に最後の草刈りを行います。

桃農家の多くはこの時期が農閑期になります。

冬(12、1、2月)

冬の作業内容です。

  • 苗木の植え付け
  • 剪定
  • 摘蕾

冬の初めに苗木の植え付けを行います。

その後は春までひたすら摘蕾作業です。

雪の降る寒い日もありますが、とても大切な作業のため重労働ではないですが毎日行います。

まとめ

桃で収入を得るために

桃の作業は多くが夏に集中します。

その農繁期をどのように乗り切るかで売り上げが大きく変わります。

広い畑を管理し、多くの桃の木を育てていても、労働力が不足していると収穫の手が回らないこともあります。

桃は収穫適期が短いので、適期を逃した桃は商品価値が下落します。

なので収穫適期の桃を取りこぼしなく収穫して出荷することが収入に直結します。

今後の課題

収入を上げるためには労働力の確保が課題です。

周りの農家さんを見ても、労働力の確保に苦労されています。

1年通して一定の作業量が確保できれば、通年の雇用も可能ですが、桃だけを栽培する場合、明確な農繁期・農閑期があるので難しいようです。

桃の収穫期に多くの労働力を投入するためには、家族に頼るだけでなく、桃の管理以外の作業を追加し、年間雇用する体制を整えることを検討してみても良いかもしれません。

僕のブログを読んで桃農家もいいなって思ってもらえたら嬉しいです。

ももおやじをチェック!!